GDPとGNP

経済

GDP(Gross Domestic Product)は国内総生産のこと
GNP(Gross National Product)は国民総生産のこと似た言葉ですが、ニュースなどで主に使われていたのは以前はGNP、最近はGDPです。

GDPは国内総生産なので、日本国内で生産された財(モノやサービス)の付加価値の合計額になります。ですので、例えば日本企業が海外で生産した部分は含みません。

対してGNPは国民総生産なので、日本国内はもちろんのこと、海外で日本企業が生産した財の付加価値を合計したものになります。

グローバル化が進んでいく中で、GNPは景気を推し量る指標としては不適ということになっていきます。
極端な例を出せば、ある自動車メーカーが日本国内の工場で車を1台も作らずに、全て海外で生産し、増産したとします。GNPだと海外分もカウントされますのでGNPは伸びていくことになります。
しかし、日本国内では生産をしない訳ですから、冨が日本国内で分配されません。当然国内の景気は悪くなります。
つまり、GNPは大きく伸びているのに、日本国内は不景気ということが、十分に起こりえるのです。
グローバル化された現代ではGNPではその国の経済の大きさを量ることは困難になってしまったということです。

そこで、最近では景気を推し量る指標として、GDPが使用されるのが一般的になったということです。

ちなみに、GNPについては、内閣府のホームページで以下の説明があります。
”※ 1993SNAの導入に伴い、GNPの概念はなくなり、同様の概念として“GNI(Gross National Income)=国民総所得”が新たに導入された。”
ということで、現在はGNPの概念はなくなっているそうです。

参考までに、SNAの引用も記しておきます(内閣府ホームページより)
“SNAとは、System of National Accountsの略称であり、「国民経済計算」または、「国民経済計算体系」と訳されています。そして、93SNAとは、1993年に国連が加盟各国にその導入を勧告した国民経済計算の体系の名称です。”

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