エルサレム

宗教

エルサレムは現在、イスラエルとパレスチナ自治区に属しています。
この都市が有名なのは「聖地」としての側面でしょう。

日本ではエルサレムはキリスト教の聖地として有名ですが、実はユダヤ教とイスラム教もエルサレムえを聖地としています。
このことが分かると、世界の宗教の構図がかなり見えてきます。

元々、エルサレムに住んでいたのはユダヤ人でした。紀元前の話です。
そこに住んでいた人が信仰していたのが、ユダヤ教です。
かつて、エルサレム神殿が建っていた場所でもあるエルサレムは、ユダヤ人がこの地を去った後でも聖地として扱われてきました。
19世紀にはシオニズム運動が高まりをみせ、第二次世界大戦後、ユダヤ人はエルサレムを含むパレスチナ地域にイスラエルを建国し、現在に至ります。

キリスト教にとっては、イエス・キリストが処刑されたゴルゴダの丘があり、復活をしたとされる地がエルサレムです。
布教活動を行っていたのもエルサレムであり、まさに発祥地です。
当然、信者にとっては聖地と位置づけられます。

イスラム教にとっては、コーランに預言者ムハンマドが、一夜にしてメッカからエルサレムまで旅をしたという一節があり、教えの重要な場所と位置づけられています。
現在では岩のドームなどの有名なモスクがエルサレムにあります。

ということで、エルサレムは狭い地域にこの3つの宗教の聖地が密集している、非常に珍しい場所になっています。
では、なぜこの3つの宗教が同じ都市を聖地としているのでしょうか?

ここが重要なのですが、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も、実は信じている神は一緒なのです。
3つの宗教はどれも天地創造の神を信じる一神教ということです。
この3つの宗教(特にキリスト教とイスラム教)は全く別の宗教と思っている人が多いのですが、神は一緒で、教えが違うだけなのです。
ですから、必然的に聖地も一緒になるということになるのです。

では、なぜ仲が悪いのかということですが、同根ということを考えると理解できることが多いです。
卑近な例ですいませんが、あるアイドルのファンの中で派閥が分かれている状態を想像すれば分かりやすいでしょう。
他のアイドルのファンであれば「ああそう」と聞き流せそうなことでも、同じアイドルのファン同士だからこそ、考えの違いを見過ごせない、みたいなイメージです。

同じ神でもその信仰の仕方が違う、このことを知っているだけで、世界の宗教の構図がかなり見えてきます。

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