カンボジアの基本情報
首都 | プノンペン |
面積 | 18.1万平方キロメートル(日本の約2分の1弱) |
人口 | 1,610万人 |
GDP | 約223億米ドル |
一人当たりGDP | 1,390米ドル |
皆さんはカンボジアと聞いて、どんな印象を持つでしょうか?
長い内戦から復興している貧しい国という印象がほとんどではないでしょうか。
私は2年前にカンボジアの首都、プノンペンに行ったことがあるのですが、随分、印象が変わりました。
その時の話を幾つか書いておきます。
街中レクサスだらけ
空港からホテルに向かう道すがら、最初に驚いたことは、走っている車が高級車ばかりだということでした。
特にレクサスが人気のようで、誇張表現なしに街中レクサスだらけ、たまにベンツ・BMW・アウディ、フェラーリも滞在中数台見かけました。
さらに現地の人に聞くと、輸入車関税は高く、100%くらいだと聞きました。
つまり、日本で1,000万円で買えるレクサスが、現地では2,000万円ほどするということです。
なんでそんなに高級車ばかり走っているのか、色々聞いてみると、からくりが分かってきました。
他の都市は分かりませんが、プノンペンは開発ラッシュのまっただ中です。
建設中の高層ビルがいくつもあり、急激に街並みが変わっています。
それに合わせて、土地の値段が高騰し、土地成金が続出しているのです。
ここ20年の間に、土地の値段は数千倍〜1万倍(!)くらい高騰しているそうです。
20年前に1ドルの土地を持っていた人は、1万ドルを手にできるということです。
そんなことで、プノンペンでは日本人が貧乏に思えてくるほど、表面上の景気は良く見えました。
もちろん、一歩裏路地に入れば貧しい人々は一杯いるので、どちらも見ないと正確な実態は分かりません。
水道の水が飲める
プノンペンは上水道の整備が行き届いています。
ただ水が出るだけでなく、蛇口から出てくる水がそのまま飲めるレベルです。
海外に行ったことがある方ならお分かりと思いますが、これはかなりすごいことです。
実は、カンボジアの水道事業の整備には日本が大きく関わっています。
特に北九州市の貢献は大きく、水道局の職員を派遣して水道の整備、維持管理に協力しています。
水道を整備する際に、多くの途上国で問題になるのは盗水です。
勝手に水道管に穴をあけて、自分の家に水道を引き込んでしまう行為のことです。
これをやられると、料金の徴収ができずに水道が事業として成り立たなくなるのはもちろんですが、水道管の水圧が低くなってしまい、遠くまで安定して水を供給できなくなってしまいます。
単に浄水場の建設だけではなく、この盗水の問題解決まで含めた問題解決を支援して、世界有数の水道がプノンペンに整備されているわけです。
教育レベルが低い
現地に進出している日本企業の方からお話です。
「カンボジア人は真面目によく働く国民性なので、その点は困っていないが、教育レベルが低いのが最大の問題だ」
とのことでした。
数を5までしか数えられない人が多い、といったレベルだそうです。
なので「これを5個作って」という指示を5回出す、といった工夫をしながら仕事をしてもらっているそうです。
これにも理由があって、1970年代のポル・ポト政権下での自国民虐殺が未だに尾を引いているのです。
ポル・ポトは、大人は資本主義に毒された存在で、特に知識人は革命に邪魔になると見なしていました。
教師・医者・弁護士・大学教授などの知識人などを皆殺しにし、文字が読める、メガネをかけている人も知識人と見なされて、片っ端から連行し殺してしまいました。
私もキリングフィールド(ポル・ポト時代の処刑場の跡)を見学しましたが、あまりの凄惨さに気分が悪くなりました。
解放時のカンボジアの人口比はとんでもないことになっていて、国民の85%が14才以下だったそうです。
ほとんどの大人は殺されてしまったことを意味しています。
そんな状況から教育を立て直すことが、どれだけ大変なことか想像に難くないでしょう。
先生を育成しようとしても、先生になれる知識を持っている人も、教えることができる人もいないのですから。
そんな背景もあり、カンボジア全体の教育レベルはまだまだ低いままです。
私立学校に通える富裕層の子弟は、もちろんこの限りではないのですが。
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